暑寒5
最終日。短縮ルートを選択して間もなく、支流F2高さ7mほどを攀じって見下ろす一枚。昨日の満点の星空とは一転し、厚い濃霧に包まれた遡行はそれなりに神秘的でした。この時点で稜線までの距離は平面にして1キロ。頑張るぞ!
所々の流れの淵で茶色に泡立つ匂い、温泉かな?が湧き出る地点を通過し、それから高度を上げ黙々と足元を見て登っていると、あの可愛らしい顔が目に飛び込んできた。ニチザリです!温泉?が湧き出る通過点ではなんの気配もなかったのが、ある地点からは甲羅干し?とも思える格好で私達を見つめた。
フラッシュを幾度と無く浴びせても一向に動く気配もなく、ただただぼ〜としているだけ。もしかして人間を見たのは初めてなのか?指一本触れずにこの場を去る。
水源付近。さすがにこの領域に入ると別世界といった雰囲気でした。ただ天気さえ良ければ、もうすこし違って見えたかもしれない。
昼には少々早い10時過ぎ、水が確保できる地点でインスタントラーメンを食べる。登山道でガス欠すると思い4食分を汁一滴も残さず2人でたいらげたが、逆に腹が苦しくえらい目に遭った。腹八分目ですね・
高度計では940mあたり、稜線まであともう少しの辛抱。遡行する進路の所々に散在する足元のニチザリを踏まぬようにゆっくりと、はあ〜はあ〜と息を荒げに高度を上げると突然視界が塞がった。
さすが南斜面です。突然、沢が無くなり密集する笹漕ぎが始まる。急斜面に沿って下向きに鬱蒼するヤブ漕ぎのこつは、とにかく左右の手で順番に双方、丁寧に別け、片足ずつ束ねた笹の下に足を差込、踏まぬようにして一歩一歩進むしかない。これを踏んでしまうと滑って駆け落ちることもある?でも、パワーのある方はがむしゃらでもへっちゃらなようですね^0^
イトウと岩魚2足のわらじ 北海道のイトウと岩魚 北海道の岩魚 更新履歴 プロフィール 書籍文献紹介 沢登り冒険 |