2007イトウ・笹木さんより2
2007イトウ・笹木さんより ・・・
ガサガサガサ〜と、瞬間風速で巻上げる空気で、うとうとと居眠りしている車体を大きく揺さぶり目を覚ます。深夜2時のこと、笹木さんとお会いしてから翌日、カメラ片手にイバラトミヨの群れを追い回し、笹木さんらがベースにする地点より離れ、さらに数キロ上流で一夜を過ごしていた翌日、今日こそは笹木さんがイトウとやりとりする場面をカメラに収めたいとエンジンキーを回したところ一度だけキュ!と鳴るだけで反応が無い?。
・・・えっまさか?どうしよう?笹木さんの携帯に発信するが留守電のままでまったく繋がらない。後で聞いた話のところ某社のため電波を拾えない圏外だと言うこと。
この車を買った時は、走行距離4万キロ弱で、確か今年で4年目、22万キロに達する。2年ごとにあちらこちら壊れてはオルタネータも直したばかりだし、つい最近も車検をとったばかり。いくら税金ずくめの車であっても、これが無いと日常もフィールドへ行くにも不便になる。
原因はエンジンを止めたまま電池を充電しエアコンのスイッチも何故だかオンになっていた。多分、居眠りしたままボタンに足が触ったらしい・・・それでもふと思うのは、今頃、笹木さんは特大のイトウを手にしているんだろうか・・・。
J・・Sに加入しているが恐らくここまで来るとなれば大事だ。後、思いつくのは敬一さん・また甘えるのも気が進まないが、近頃さんざん世話になったばかりで、連絡を入れるのを大分迷った・・・自分もまだまだだな〜なんて独り言を呟きながら、非常識だがAM5時過ぎ携帯に発信すると繋がり、10分後には助けられた・・・この辺はまた次回更新の産卵記録で・・・。
笹木さんと合流した初日、河川敷に止められる車を一台一台、ナンバープレートを確認しながら側を通り過ぎ、日没寸前でようやく探し当てることが出来た。
合流して早々の天候は風が強いながら晴天で、満面に口を開けて流れ出す地平線には綺麗な夕日が沈もうとする直後に、薄いスモークガラス越しに近寄ると、ドアがスライドし、初めてお会いした感じもなく軽く会釈をして、その向かいには齊藤さんが座っていた。
聞くと、この時限定に後部座席を取り外し、真ん中には既に布団が敷かれ、これをまたぐようにちゃぶ台があって、足元の片隅には小さな灯油ストーブが置いてある。このストーブで以前、危ない経験をしたと聞く、喫煙者であることで回避できた、燃焼中に仮眠した最中の途中、目を覚まして何気なくタバコに火を付けようとライターを取り出しチャッカーするがまったく火が付かず、別のものをダッシュボードから取り出し試しても同じ、その時点で、どういう事態になっているか気が付いたらしい。完全に酸欠する前にそのようなシグナルがあるんですね?皆さんは真似をしないでください^0^ね/
水面が隠す褐色の世界とを隔てる荒涼な原野が一帯に広がり、その舞台に身を置く世界観を噛み締めるよう、周りを見渡し耳を傾けると、熊笹が擦れ合う音に紛れ、行き交う車の騒音が間を開けて通り過ぎる調子の間隔で交わす、20年以上を刻むイトウ履歴の光りと影を含めた、ここの将来と繰り返し刻むノンフィクション=使い慣れない和製横文字でしたm(- -)m実話なるドラマの一行を聞く車内の空間はとても広く感じられた。
笹木さんは地元?という管轄とは少し離れた市町村に住み、公務でもここ近辺の支庁にある病院には、たまに仕事で立ち寄ることがあるそうだが、人命に携わる仕事柄、蓄積される身体の疲労をたった一時だけの休暇で精算させている。それと、もう一つ注目したいのは、独身時代にロシアへイトウ狙いに渡ったこともあると言う・・・その後、結婚しお子さんを3人儲け、現在は既に2人は成人し、もう手はかからず、毎年、ここへ来てはイトウと対話している。
以前、その1人の息子を一度だけイトウ釣りに連れてきたが、まったく興味を持たず、それからは、ここへ1人で来ては幻だと言うメートル級を掛け、その後は負荷圧の高い過密なスケジュールが組まれる現実へと戻ってゆく。自分には絶対、真似のできない人生を送っています。
それと、毎年ここへ来て顔合わせする車と人は同じだそうです・・・
また来年か、それとも早くはことしの晩秋にお会いできる事を楽しみにしています。釣りを極めることを諦め、イトウ愛好に目線を据えるようになっている自分も、いつか原生が再生される兆しが見えたとき、もう一度、志したいと将来に希望を持ちたい・・・。
2007イトウ・笹木さんより ・・・
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