イトウ回帰Vol.2−2
2006年春総集
澄み良しの川での一場面。ごめんなさい写すのが下手くそで・・・
イトウの繁殖、あれから随分と時が経ち、北海道もようやく源流の岩魚紀行の季節が到来しようとしています。それでも、高い山々の頂きには未だに残雪が消えずに残り、開幕までには後もう少しの辛抱。今期の岩魚秘境探訪はどうなることやら、その間は山菜摘みを兼ねて各山域へ下見に行くも、完全踏破を計画する厳選の山域周辺の幕開けはまだ遠い。
年々、野山で探したいもの、楽しみが増えてきた。イトウの産卵期では全く見られなかったエゾSも、南へ下がり過ぎると時既に遅し。
五月中旬、標高のある山域へつづく林道へ向かうと、気温も上がらなく吹き溜まりによって厚く残雪が堆積されている箇所が目立ち、乗用車での進入は不可能となる。そうなると長い距離を歩くしかない。そんな時、力を発揮してくれるのがRV車だ。扱い方を知っていれば道無き樹間の隙間を縫って走破することさえできる。時合えば数十、いや数百匹なるものが、そこかしこの沢や山間の止水に集う塊が見られる。
水芭蕉にコバイケソウ、エゾノリュウキンカが群生する原野。今となっては季節外れの花々も、北海道ではこれから咲き始める所がある。昨年、山野草、高山植物で見たいと願った対象はギンリョウソウだった。今年は・・・
産卵期最終に巡り合えたペア。堀を起こす雌の動作は正にストップモーション!一匹の雌、その総排泄孔から産み出される場面を水界から見ていると驚きの連続・・・この種にして未完成。繁殖期だけに注目しても、まだまだ知られていない不思議は沢山あるので、今後も課題に尽きることはありません。
エゾノリュウキンカ。ヤチブキとも呼ばれる。北海道では早春に顔を出すのがこれ。食べても好、観賞してもよし。後半での一場面。枯れ草模様の隙間から今期の春も変わりなく顔を出していた。
イトウ産卵期を巡る前半。えっ、まだこんなに雪があるの?近隣の水系と比較して透明度が高いことを理由に、早々現地入りする。ところが、今年は条件が整わず十分な種を産み付けられずに時期を終えた。
この場所には2年振りに訪れた。土手から水際までの落差がおよそ4m、中央に薄っすら見えるのが魚止めの滝。近年、周辺の木々が大規模に伐られているようで、核心の聖域にまで林道が延びている。いったいこの場所でいつの時代までイトウの自然回帰が繰返されることだろうか?今年、この日だけで数十匹が盛んに下流から遡りこの滝落ち口で足踏みした・・・今、ここ周辺で必要なのは最新の科学ではない・・・
雪代によって乳白色に濁る水界で堀を起こす雌と、寄り添う雄。水界からでは、肉眼で殆ど見えなく、側へ寄る都度、尾びれで顔を叩かれた。
ユキザサ(アズキナ)の群落。これと似るホウチャクソウにオオアマドコロがある。なんでもかんでも食べようとすれば食い意地が汚いと言われてしまうし間違えれば大変。
イトウならではのペア。孵化までに繋がる繁殖は固い絆・・・
6月中旬。雪渓残る谷間に群生していた行者ニンニク。太かった・・・
イトウと岩魚2足のわらじ 北海道のイトウと岩魚 北海道のイトウ 更新履歴 プロフィール 書籍文献紹介 人物紹介 |