ニホンザリガニ |
2003年の秋、立脇さんに連れられた先で見たニホンザリガニの地。あれから1年が経ち、あの時歩いた区間をもう一度踏み直してみた。
去年の出来事であったその区間は、残念なことに一変していた。川底に敷き詰められる石の多くは泥岩石からなる平坦な起伏で、独特な透明度、まるで海面を覗き込んでいるような、メラメラとした不思議な輝きで地中へ潜り、再び地表へと湧き上がるといった状態を繰り返して海へと注いでいる。
昨年、歩いたのは一部の区間であったので、今回は全工程を見てみたかった。まず最初に探ったのは、前回で歩いた区間の終点からをスタート。川面を覗き込むと、すぐに「異色」なものを見つけ、砂防ダムまでの区間まで進む。
イトウだけに限らず、ニホンザリガニも同様、何が絶滅危惧だ、30センチ四方の狭い空間で肩を寄せ合って生きている世界も、数十メートルの流れを護岸し、土嚢袋を岸に置いただけで、これまで繋いできた時間に終止符がうたれる。
昨年、立脇さんに案内して頂いた区間が、たった1年で変わり果てていた。さらに、砂防より数十メートル遡った流れより上流も、そこと同様に荒廃し、一匹たりものザリガニを見ることはない。それが棲むに特有な平坦で緩やかな流れとなるここは以前、フロンティアだったのだろう。
イトウと岩魚2足のわらじ 更新履歴 北海道のイトウと岩魚 プロフィール 書籍文献紹介 人物紹介 意見感想 両生類その他 |