イトウと岩魚2006晩秋

イトウと岩魚2足のわらじ

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北海道は南部、羆の生息密度が高い隠源2Pでのこと。痕跡が多数点在する谷間を恐る恐る進むと、その危険に見合うだけの大きな影が所々の深い淵、その瀬尻で揺らめく場面を度々目にできる。それに、豊かな植生と水がある。

この谷へ行く目的は写真と原始の渓でキャンプをすること。残念ながら良い画が撮れず、その殆どはお蔵入りになった。

巨大岩魚を追う核心の谷底でキャンプをする一番の楽しみは焚き火。増水時によって押し流された流木が折り重なるよう積み重なった一つ、とりわけ一番大きなものを選んでは、はっちゃきになって切り揃えたが・上腕三頭筋がパンプアップしてしまった。でも、頑張った労が報われ、翌日の朝、ここを立ち去るまで火が燈される。

イトウから始まった季節もはや10月終盤を迎え、夏へ向け計画していた岩魚の谷も、今年は残念ながら数を踏めぬまま「核心」を突破する沢登りに熱を上げてしまい、本題から迂回することになってしまった。まあ、そんな年もあってよしかな・・・

支笏湖

あれは昭和26年頃、この橋の上から若い米兵が全裸になって飛び込む様を、橋の傍らに立つ黒髪の乙女たちがきゃ〜きゃ〜と声を張上げ騒いでいた。

時速30`ほどしか出ないトロッコで、起伏の穏やかな原野の樹間を縫って向かう先はかつての支笏湖。そこへ向かう道中、登り坂になると歩くほどの速度に落ち、ようを足したい者は、その時を狙って降りる。間が合わず上りから下りへ移る時に降りてしまうと、加速の付いた車両の後を息をきらしながら追ったそうな・・・

初めて来たのが昭和19年。当時、14歳であったおじさんを含めた5人は、担任であった教師に連れられ、1890年代に阿寒湖から移入されたヒメマスと、今では大きなものがなかなか見れなくなっている在来種のアメマスを釣りに行った。

手漕ぎボートの上から初めて掛けるヒメマスを目前でばらし、気が付くと、とっさに湖へ飛び込み、夢中になって手掴みしたその頭を口で齧って仕留めた。

それから、社会人になって、もう一度、同僚は男女数人とあわせ、青春時代の樽前山を登り、湖畔ではキャンプをしたそうだが、かつて直接、炊事に使った湖水は随分と汚くなっていると嘆いた。

今年7月下旬、この日を境に遅れていた真夏日が幸運にも到来した。

北海道の秋も深まる9月下旬、例年のお決まり行事として、岩魚が大海から回帰してくる南部の隠源を目指す。2泊3日分に及ぶ食料などをザックにパッキングして早々、林道入り口で湯気が立ち上がるたれて間もない奴の糞を拝み、相変わらずの歓迎振りに血の気が引く・・・

左画像は今年7月上旬。例年、シーズン初めは気力、体力ともに満タン状態にあり、その勢いに乗って、これまで数知れず足を運んだ通い慣れる原始郷へいざ!

かつて、道内では随一の岩魚郷だった所。明瞭な巻き道が所々で確認できた経過点も、時代とともに、その風景を少しずつ変え、避けてやり過ごしていた区間も、今では泳ぎと登り、目指すもの課題に外れる所々の巨岩によって構成されるチムニーを目前にしては、時間を気にせず果敢に挑戦し、通らずの滝もじっくりと眺めて攻略できるようになっていた。

この時、巨岩帯手前で苦労させられる区間の途中では、胴付きを履いた釣り人数名と出会うも、装備、心構えが現実と重ならずガイドブックに頼ってきたその先は未知との遭遇か?

アルパインでは頂上を征服する経過時間に気を焦らせ距離を消化させる為、核心に息つく野生は平成の今でも保存されている。

後は、手付かずの原始を食い物にする道ならではの選択肢は「雇用対策」により犯されない限り、次世代までこの域が残されることになる。それは、今後の私達は「民意識次第」に託されるのでしょうか。

なにせ、河口に数軒しかない住人の為に、それを理由に何億?以上もの予算=税金が注ぎ込まれている現実がある以上!この先も不安は絶えない・・・私にとっては第二の心の古里として大事にしている。

尺四寸の山女魚

とある隠源でこんな山女魚と対面できたのはどれほどぶりだろうか。それほど近年では珍しい一匹、最初これを見たときはサクラマスかと見間違えるほどだった。

この一枚は暑寒でのこと。魚止め滝直下で2006年の真夏、最後のキャンプをする。源流となる本流の水脈も、さすがにここまで来れば乏しい流れ。最初は一枚岩が2つ並ぶ上を床にしようとしたが、谷底を深く覆う濃霧で体が冷え、焚き火の側は石原の上で一夜を明かした。

アメマス

2年前までフライロッドしか振っていなかった中橋さんが、目の前で巨大岩魚を何度も釣り上げる私のルアーに、どれだけ悔しい思いをしたのか、今年は私の後を歩くことなく大物を手にすることが出来た。残念ながら特大のアメマスは出ませんでしたが・・・

下の廊下での一枚。来年は!!*+!!!の沢を頑張ろう・・・