回帰録2007−4

イトウと岩魚2足のわらじ

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イトウ2007-4-1

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今年は開幕から長い春がつづく北緯・・以北では今になってようやくイタドリの芽が地面から顔を出すほどで、周辺の木々の若葉も一ヶ月ほど遅れて芽吹いてきた。

イトウの繁殖期を一つの基準として回帰してくる数、大きさ、周辺の環境などを見ていると、ここ8年ほど前ごろから全道的に勢いをつける公共事業、ここでも道路整備が着々と進行し、以前からあった伐採目的の幅員の狭い林道から最終的に舗装道と規模が拡大されようとしています。周辺の環境は未だ何も変わらない・・・

ここで聖地と呼ぶ領域の本流と、そこへ数多く流れ込む支流と細部、その殆どには流れに沿って道が走っていて、資源量が減っているにせよ誕生以来、種が途絶えることなく今も営みが繰返され、残雪と雪解け次第によっては、産卵域にかけ車での行き来が簡単にでき、時期次第では誰でも、その場に直面できる機会はある。しかし、これが危険極まりなく、今後、大きな問題にもなってくる・・・だから、新規の道路だけは造ってほしくなかった。こうなると、規制はもとより徹底した監視も必要になってくる・・・今年も心配で仕方がなかった・・・

ただこれだけは言えること、絶滅に加担しているのは釣り人ではない!という事です。北東部の生息域一帯は低層湿原からなる砂地の間を川が貫通し、北部は高層湿原で湿原を周りを囲むよう泥炭質の層を貫通して川が流れ、植生も人の侵入を拒む根曲がり竹が密集していること、その流域の所々にはちょっとした湿原や水路があり、イバラトミヨなど多くの生き物たちが潤っている。勿論、遡上降下を妨げる致命的なダム、落作工が無く、北東部のように水源域に近い箇所まで採草地が拡大されていないが、北部でも採草地の真っ只中で繁殖が継続されている所があるので、繁殖に必要な条件を細かに例挙し特定することは難しくないだろう。間違って捉えられてはいけないのは、マナーではなく乱開発なのは明らかだ!

イトウ07-003

3年前まで、この時期、ここ一大支流の一つで人影や痕跡を見たことが無かった。近年では頻繁に見るようになっている。向かって右が市町村外からやってきた敬一さんの友人で左が地元の方。

画像の地点より上流にある産卵域の手前、下流に以前から設置されているコルゲート管には毎年、流木が詰まり、遡上降下の障害になっている。ここへ来て早々、敬一さんが撤去しようと働き、それを見た釣り人と地元人が胴長を履き作業にかかる。本来は、このように自分の出来ることを精力的に行うだけでいい、この姿が思いを寄せる釣り人と民の根底にある意識に問いかけるのでは?釣り人よ、誰に縋ることなく自分の意思で出来ることから動いてほしい・・・

イトウ07-010

発情したイトウの美しい色合いからは想像もつかない地味な景観で流れる回帰河川の一つ。B支庁管内のとある支流、残雪が消えた山肌を見る限りでは水色、命弾けんばかりの舞台を期待したが・・・

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