07秋・原野の営みVOL.2
自然に出来た流木の低ダムで身を休める雨鱒。11月下旬ともなれば、北海道と言えども、さすがに忙しくなってきたのか、それとも、よっぽど自分が暇人だと思われているのか、この時期になると知り合いからの連絡が頻繁に入ってくるようになる。まあ・稼がせてくれるなら、できれば高い報酬を期待したいところ、何故か例年と同様、期待実らず時間と仕事に追われる誘いに乗ってしまうのは・・・
後、年内に企画する予定は残り1つ・2つ。それから年末までは、ただ仕事にひたすら追われるのみ、正月は腹いっぱい毛蟹を食べたい!という、ささやかな楽しみと、一度、カメラ機材のオーバーホールをして、自分の体もできたらさぞいいことか?それからは−気温が身に沁みる日々を凌ぎ、ただただ春を待つのみとなる。
更新するのが遅くなると、もう、この時が懐かしく思える。ここへ来た目的はカラフトマスじゃなく、データ収集のためだけにやってきた。今、いろんな場面で賑わすデジタル画像や写真はとても綺麗で色鮮やかなんですが、決定的瞬間を捉えた一枚は、まず見れなくなってますね。機材や技術は手頃に入手できるんですが、努力と辛抱がないのは正しく現代の社会現象の一つで、それが特に顕著に映し出されているのが野生動物を取り扱った一瞬だろう。
この一枚、水色を見れば何処だか分かるでしょう。そこ一帯では相当数のフクドジョウが目立つ!特有の濁りであるところと透明度が高いところ、その一つの水系で目を凝らし川底を見ていると多い多いこと、30a四方だけでも1〜3匹、トビケラにカワシンジュガイらが美味しそうに水で呼吸している場面がなんともいえない、そこならではの光景だろう。
外観上、雄と雌の見分けが簡単と思われがちなカラフトも、せっぱらづ鼻先尖らぬ雄も見られる。本当に良い場面に立ち会えたのは最良でした。
雌は強いですね。その時が迫り来るとひたすら尾鰭で川底の砂礫を巻上げるように掘り下げる。
3週間も早い遡上で、この雄は子孫を残せず死んでゆく。そんな亡骸が所々の溜りで見られた。