2018イトウ
2008年を境に一つの領域に源をなす支流を集中的に観察を開始したイトウの産卵は今年で10年目になり、周辺全体を含めると24年間という歳月を注いできたかと歴史の区切りを感じた2018年でした。いろいろなドラマがあり多くの人たちとの出会いと別れがあった事も振り返ると今後なん十年この繰り返しを見ていくことができるでしょうか?
ここへ来る一ヶ月前、昨年12月より愛車を民間自動車整備会社に預けていた壊れたエンジン、走行距離52万`ですがリビルトエンジンか中古エンジンに載せ替えるか若しくはOHするか整備会社にお任せしていたところリビルト品は注文から納品までの時間が未定で中古は国内に一機でるかどうか?の順番待ちでわざわざエンジンを取る為に中古車まるごと一台を取り寄せる訳にもいかず、これも現状では十数台ほどが国内にあるのみで殆どの車体は海外、主にロシアからヨーロッパへと流れているため20年以上前の型式を今後、国内で乗り続けるには部品どりとして考えていかなければならないか・・・・この23年前に製造された自動車一台が国内に留まらず海外で現役で活躍していることから如何に日本が世界に貢献している金型としての役割を担っていることが解ります。ある意味、軍需製品を作る以上に抑止力があることになります・・・
それで結局は市場に現状見当たらないことでオーバーホール(OH)することになりました。その後は点検も兼ね市内を走るとATミッションの4速がなかなか入らないことに気づきディーラーに入庫するも原因が特定できず店舗3社を巡るはめに・・・奇跡的に自宅近くの店舗に人事異動で出来る技術者がタイミング良く入れ替わったお陰で事無きを得たのは僅か2cmも満たない電子部品で冷却水温度が60℃に達しないと変速ギアが4速に入らないようにする保護回路が問題でした。オーバーヒートした時に破損していたようで車体を開発した技術者と壊れた箇所を特定できる技術力の違いを痛感させられます。この辺は1980〜1990年代に爆発的に流行した日本車と、それを開発した生身である日本人の頭脳、技術力が如何にレベルが高かったということが時代を超えて証明されています。まあ、そんなことで大事をとってミッションも載せ替えることになりました。車体外観はボロボロに見えますが今、世に出回っている上っ面が真新しい車より費用は新車を購入する以上に費やされていることは誰も見て判らないでしょう・・・生身の人体とは違い人間が造り上げた物は必ず元通りに直せます。それが本当に価値あるものだと理解できるのならの話しですが・・・
今年は寒い厳しいと皆さんは口にします。今後、地球全体は”寒冷化”していくそうですから外気に影響される人間にとっては決して喜ばしいものではありません?ここイトウの地で私が記録しているデータでは24年前との記録からでは水温は2.0〜5.0の範囲で変わりません。因みに外気温も−3〜+15℃という範囲で推移しているので特別何か極端な気象変化はありませんし返って20年前の方が季節外れの雪が降ったりもしたくらいで、いつもと同じ季節が今年も繰り返されたと感じています。ただ一つ大きな変化が起きているのは人災の影響としか思えない現実です。
残念ですがこの問題を見ぬ振りはできない。ちょうど13年前を境に幾つかある産卵域周辺聖域≠ナある支流沿いに伐採目的で林道が造られたこととイトウ保護を目的に地元で設立されたことが大きく影響を受けています。
まず研究機関の関係者が産卵の為に遡上してきた個体を捕獲しデータを取り始め更に各新聞社の取材班が撮影する為に集中していること、今年もNHKからも来ていました。一般的、学術的なマニュアル知識があるでしょうが私から見れば皆さんは素人集団です。イトウを題材にし保護しようと道外、海外から見識者?を呼び寄せメディアを巻き込み主張する。これをイトウの立場で一言で述べるなら人災です。
イトウという魚の寿命は20年以上と言えども一匹が毎年、産卵に加わるとは限りません。魚体も35cmから1m以上のものが水深で最も浅い所で5センチ、そこまで辿り着ける行程には、その地勢≠ェ大きく影響していることです。勿論、川は蛇行し流れているのは当然のこと、流れに沿って川面を覆う木々、特にここらではネマガリタケが群生し流れを覆い隠していることで外的から身を隠し安心して子孫を繋いでいる絶対条件があったからこそ今も歴史を繋いでいます。因みに太平洋側の植生にはネマガリタケが無く全てがか細い笹で日高地方も非常に歩きやすいことから山菜にとっても貧弱で行者にニンニクにおいても色が黄色に近い黄緑で三枚葉は一度も見たことがない。それだけイトウという生き物は水中だけに留まらず地表条件ともリンクしています。
因みにここの漁業者は定置網に入ったイトウ、一回の操業で20〜40匹を駆除しています。地元の漁業者から直接、私は聞いています。漁業者は自分たちの生活を持続させる為に営利を追求しているので水産価値の無いものが網に入っても迷惑なだけじゃなく無駄な労力にしかならないと溢す・・・
狭い所で方や保護だと道外、海外から社会的ステイタスを追求する者を呼び寄せ、地元、地勢で先祖から引き継ぐ身内を蔑にすることで自滅することに加担していることが愚かです・・・法律や規制に正義はありません!これは弱い者に対する特権、優越で、本当の正義は倫理観≠ノしかありません。