2013年・知床先端領域1P

イトウと岩魚2足のわらじ

更新履歴
北海道のイトウと岩魚
北海道のイトウ
北海道の岩魚
書籍 文献紹介
人物紹介
両生類その他
沢登り 冒険
意見感想
プロフィール

2P

2013年知床(東の果てシリーズ)出艇して2日目。もう11年前になる東の果てで見た秘境No.2-5当時は76歳?現在は87歳になるそうだが、カヤックを相泊から出艇した13日の天気予報は曇り、実際は小雨が降る中を航行し気温は最低が14.3最高が17.2平均15.6℃といった例年と比べ若干肌寒い初日となった。画像右から娘さんで2人目中央に映るのがユリおばあちゃん。一番左端がイトウと岩魚2足のわらじの一員A氏。

多くの人が知る世界自然遺産知床は、五湖散策やカムイワッカ川にて温泉浴、ウトロから羅臼側へ抜ける峠をのんびりドライブしたり国道沿いの海岸でキャンプをして釣りをするといったインフラの範囲、携帯電話が繋がる圏内。それと、宇登呂側は大型観光船に乗り知床旅情を聞きながらオホーツク海側の断崖を洋上から眺める観光と、羅臼側の場合、車では通行止めとなる相泊から徒歩で大凡、先端まで35kmを歩くか、渡舟にてモイレ、ペキン、滝の下、二本滝の4箇所のみ海岸に降りて釣りが楽しめる。うとろ側は動力船による上陸は禁止で船上からの船釣りのみ・・・。この辺においては知床半島先端部地区 利用の心得シレココなど知床自然センターを参考にしてもらいたい。ただし、先端領域における羆の情報は得られません!私も今回、今年の熊の状況、情報を得ようと思い施設を訪ねましたがスタッフの方に“一般領域外”なので分りませんと言われました。正に自己責任≠サこに立ち入った以上、我が身の安否は誰の責任でもない自分自身にある。という領域です。怖いですね・・・よくいろんな人にゴムボート貸してあげると言われるのですが、そう言う所なのでシーカヤックで行くしかありません。それに、動力船で行っても何の価値も感動さえありませんよね。

出艇初日。2001年から始まって以来、初の雨での出艇でした。小雨ですが、風向きが東、東南東、南東といった先端へ向かうほど追い風になり周回するには楽でした。そのおかげで白波を立ながら右後方から繰り返しテールを巻き込むようにカヤックが煽られ、気を抜いていると横転しそうになる。一度、真横直角に傾き危なく沈しそうになり慌ててパドルで波を掴み回避する。荷物の量が重たくなり過ぎると船の扱いは体に応える。また性懲りもなく水中機材とビールで満載し3泊4日分の荷物で重たくなった。まずは二本滝へ向かう・・・

無事に二本滝へ到着し新調したタープを張りベースを築く。ちょうど我らが着く頃に渡船で来ていた釣り人らが町へ戻るのを確認した直後だったので海岸周辺には誰も居なかった。私だけ早々に竿を出しカラフトマスの背びれを探しキャストすると今晩の食卓を飾る念願の、3年ぶりの感触と味覚を思い出せてくれる。やはり単独で来るのと二人とでは楽しむ指数は遥かに異なる。イトウと岩魚2足のわらじで活動している行動内容を今日の2013年も繰り返し重ねる質を、自分自身が新鮮な気持ちでここ知床先端領域へ来るのは、もうこれ以上の価値は日本、北海道にはここしか存在しないから、次のステップへ踏み出せない。贅沢な悩みかもしれないが模索はしているものの開拓できない現実がある。

東の果ての秘境(知床先端領域)へ繰り返し来る理由は多分、ユリおばあちゃんと価値観は同じだと思う。90歳まで来る!と言っていたが、北海道の一番は紛れもなく知床、先端領域には昭和の高度成長を歩んだかつての日本人が感じ経験した豊かな人情が聞えてくる厳しくも暖かな温もりのある所だ。これを知らずして新しい人が作った物に誘惑され騙され、何れ永遠の命が科学的に造られると叶わない夢を抱き、よりよい便利で安定+統制≠ウれる社会に溺れていくのかと思うと、ここへ来て素直に楽しいとは口にできない・・・・。

2P