2010知床No.2

イトウと岩魚2足のわらじ

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9回目の知床シーカヤック旅。相泊から出廷して3日目の夕方、8月13日。ベースCはレタラワタラの海岸、半島上空には停滞前線が居座り、雨が降れば寒気が入り込み止めば熱波が突然一帯を包み込む繰り返しとなった。午後4時、A氏が天気図を書くからしばらくテントに入っているよと告げてから1時間ほど経過してもまだ外はどしゃ降りの雨。この海岸に上陸してこのまま何事もなく終わるわけがないと心配していた通り現れた。ウトロと羅臼側とでは違う。

南西方向は200mほど地点で北上して歩いてくる巨大な羆がテントへ向かって黙々と歩いてくる。来た!きたよ熊が!と声を出しA氏がテントから這い出てきた。

凄いデカいな!・・・サンダルを履きTシャツ姿、もう何処にも逃げようがない。タープに強く打ち付ける雨音を聞きながら、一応、我らがここに居るということをアピールする為にホイッスルを吹くが全く反応を示さない。鈴も振り回してみたが何の動作も変わらない。しかし、声には反応した。でも、感情を込めず声を出しても、せっかくイタドリが群生する方向へ避けようとしたが再び我らの方へ戻ってきた。これはヤバイ!渾身の力を絞り怒鳴り散らした!いやあ、我ながらみっともないことをしたと恥ずかしくなってしまったが、ようやく聞き入れてくれて良かった。斜面に方向を変え去ってくれた・・・

人前に平気で姿を現すクマはそれほど心配はいらないと思いたいが100%の安全は保証されない。ここに足を踏み入れた以上、出るでないという遭遇は絶対に避けられない事を思い知らされる。あとはどうやって距離を保つか、その場所を占有する権利を主張し”追い払う“ことができるか?これから先も、この追い払う旅を繰り返すと思うと・・・今回、初めて現地で新谷さんにお会いした事で誰でも真似のできる所じゃないことを痛感しました。

クマが去ってくれても雨、アメ、もしかしたら明日は晴れてくれるかもしれない?A氏が20年使い続けているというタープの下で二日間、ただただ雨宿り。てるてる坊主でも吊るしたくなるほどやるせない。もっとビール、酒を持ってくればよかったなあ・・・こういう旅も好し。

11日。え〜と、上陸した場所はどこだったか、ポロモイ、それともアウンモイだったか?2日目の昼前後、半島を周回して昼食を摂るために目指した海岸に何艘ものカヤックが上陸しているのが見えた。知床半島の天候は羅臼、ウトロ側とでは波、風の動きともに違い、先端を境に波の線がくっきりと表れるほどだった。上陸したところ、ちょうど皆さんも昼食を摂ろうとパスタを調理している最中だった。ご好意で我らも御馳走になりました。豪快で美味しかったです。有難うございました・・・

羅臼側の小河川。天候が良かった初日、陽の光が差し込まない水界を覗くと警戒心ゼロのオショロコマたちが群栄する。この魚は原石に例えるより”妖精“として象徴するのが相応しく思う。

A氏と海賊湾。今回、使ったカメラと画像はまかせっきり。

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