09回帰-2
イトウにクマゲラの森
聖地ではまた敬一さんに大変お世話になりました、有難うございます。
やる気の無い♀、いや、弱いのはダメだ。強くなきゃ子孫は残せないし♂も言い寄ってこない。産卵域に姿を見せる時は二匹揃って遡ってくるところを見れば相手は決まっている。盛んにやっている所に他の雄であろうが雌であろうが仲に分け入ると、行為最中の雄が蹴散らしているのを見ると、正しく”許婚”なんだと窺える。そのペアがいつ何処で出会ったかは分からないがお互い”びびっと電光が走った”かはどうだかにせよ、少なくとも現代人よりも柔順で生命力が強いのは確かだろう。
1週間、寝起きを共にしたのはテントのすぐ横の枯れ木に棲む’クマゲラ’
プッウ〜・プッウ〜・クルクルクル・とっ、朝から晩までこの一本の木を一点に半径数百m先に棲む仲間たちとトライアングルを形成する空間の間を、何やら交信しあっていた。コロコロコロコロ〜寝ても覚めても口ばしを木に打ち付ける音、仲間たちが棲む巣との間を行き来する時に交わす鳴き声が賑やかで楽しそうだった。
結構派手に開けてます。頭のてっぺんを赤く巣穴から顔を覗かせる下の穴とは繋がっていて、出るときは下の穴から飛び立っていく。
自分以外は誰も人はいない。もうそれだけで十分、前半の5日間は気温が−0〜5℃と低かったせいで雪代増水が止まり、雌イトウが床を掘る動作が鈍く、雄が早くやろうと急かす場面が目立った。そうなると観察すること、写真を撮ることすらできない。あとしたい事は・飲むか山菜か他の被写体を探すしかない。
毎朝4時過ぎに起床し、6時までビールを飲む。それから朝食ジンギスカン、ロース肉500gとご飯に味噌汁、生卵2個。ちゃんとした栄養のあるものを食べないと一日持ちこたえられない。後は行動開始の合図を聞きポイントへ向かう。その繰り返しだった。
体当たりで問いかけると相手も体当たりで答えてくれる?